#読書 観測者になるか、体験者になるか、あなたはどちらから手に取りますか? #小説 #猫

#乙野四方字
#君を愛した一人の僕へ
#僕を愛した全ての君へ

セットかつ、どちらから読むかで印象が変わるという両作を読み終えました。
非常に新しい、面白い読書体験を提供してくれました。
両作の単品の印象と、関連作として見た時の印象の変わりようにも驚かされました。


こちらから先に読みました。
君を愛した一人の僕へ
◼️作品単体の感想
愛し合う二人が結ばれるための壮大な逃避行。数ある可能性の中から究極の1を掴むための、極限にして孤高の愛の求道。映画化するなら #いま会いにゆきます のような印象になるかもしれません。純愛と献身。

続けてこちらを読みました。
僕を愛した全ての君へ
◼️作品単体の感想
やりとりが軽妙で #涼宮ハルヒの憂鬱 好きな方はハマりそうな青春SF。 思想実験が楽しくも考えさせられる一冊。最愛の人が並行世界のその人と入れ替わっていたら、変わらず愛せるか。受けた印象は広い愛、慈愛。


◼️通し読みの感想
乙野四方字
君を愛した一人の僕へ
僕を愛した全ての君へ

このように、二つの作品はまるで空気感が違うだけでなく、パラレルシフトに関して主体的か受動的か、自分がするのか、してきた人と出会うのか、最愛の1を探すのか、全てを愛そうとするのか、スタンスもまるで違います。

単品ではSFの風味が香るニュアンス違いの良く出来た純愛モノ。通して読み、再度最初に読んだ方を読み返すとSF然とした真の姿が立ち上がります。
観測者になるか、体験者になるか、あなたはどちらから手に取りますか?

 


#君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2) https://www.amazon.co.jp/dp/4150312346/ref=cm_sw_r_cp_api_fabc_u8ZXFbFJMQ1RK

小さな違い、違和感は何故生じるのか。並行世界間の移動が日常的に起こる事によるものと、虚質科学により実証された世界。日高暦と佐藤栞は二人が結ばれる世界へと逃避行のパラレルシフト。
可能性の海から泡を拾う、人生をかけた長旅が始まる

 

#僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1) https://www.amazon.co.jp/dp/4150312338/ref=cm_sw_r_cp_api_fabc_98ZXFbWCBBDR6

孤立していた高崎暦はある日、クラスメイトの瀧川和音に話しかけられる。彼女は85番目の並行世界からパラレルシフトして来た事、その世界では二人は恋人同士である事を語る。最近上手くいっていないらしくこの世界の暦に相談を持ちかけるのだが。

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